ヘルニア根本手術:術式詳細

■どのタイプのヘルニアか?
これは外ソケイヘルニアでありさらに、横筋筋膜の脆弱が見られない症例に施行されることが多い方法です。主に若年者の外ソケイヘルニアが良い適応です。内ソケイ輪の隙間から出ている余分な腹膜の脱出部(ヘルニア嚢)の処理後に内ソケイ輪の隙間を縫縮するものです。結果的には最も簡便で身体にも優しい手術であると言えます。ただし筋層が弱い人や隙間が大きな人には向きません。
| 【内ソケイ輪の縫縮(引用:外科治療77巻6号 堀孝吏ほか)】 |
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| 【内ソケイ輪の縫縮】 |
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■最新の手術方法 〜Polysoft パッチによるソケイヘルニア修復手術
ダイレクトクーゲル法におけるパッチのズレや、最大の弱点であった頭外側方の腹膜の敷き込みの減少を改良した、最新法が、ポリソフト法(ライトウエイトメッシュ)
。
さらに、固定部位が神経から離れているため、術後疼痛の軽減につながるのではないかという期待があります。
【ダイレクトクーゲル法とポリソフト法による術後疼痛の比較】
第71回日本臨床外科学会総会(2009年11月 京都) 葛岡らによる報告によると、
本検討においては、ポリソフト使用により、術後3日目の疼痛がダイレクトクーゲル法に比し、有意に軽減されていました。
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【DK法とポリソフト法による術後疼痛の比較】
▼ 2009年1月〜10月まで当院にてポリソフトまたはダイレクトクーゲルを用いた成人鼠径ヘルニア修復術を施行した患者83症例のうち、回答の得られた 64症例(ポリソフト法31例、ダイレク トクーゲル法33例)を対象としました。
▼ 手術当日、術後3日目(退院時期)、術後1〜2週目(抜糸時期)、術後1ヶ月目の疼痛を Wong-Baker FACES Pain Rating Scaleを用いて検討しました。

(Wong DLら Wong‘s Essentials of Pediatric Nursing(2001)6:1301) |
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| 手術方法 |
長所 |
短所 |
従来法
(バッシーニ法) |
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術後の痛みやつる感じが多い |
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術後の安静、休労期間が長い
→入院期間が長くなる |
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再発率がやや高い(2〜16%) |
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メッシュ&プラグ法
クーゲル法
ダイレクトクーゲル法
ポリソフト法 |
| ・ |
術後の痛みやつる感じが少ない |
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早期に社会復帰が可能 |
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再発が少ない(通常1%程度) |
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| 腹腔鏡下手術 |
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術後の痛みやつる感じが少ない |
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早期に社会復帰が可能 |
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再発が少ない(1〜5%) |
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人工補強材の使用 |
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全身麻酔が必須 |
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手術時間が長くかかる |
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費用が他の方法よりかかる |
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他の手術法と比べ(頻度は少ないものの)重篤な合併症を生じる可能性がある |
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