
ちょっと番外編!こんなヘルニアもある
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1)正中腹壁ヘルニア:
大部分は臍より上方、白線ヘルニア・上腹壁ヘルニアとも称す。壮年男性に多いとされる。
2)側腹壁ヘルニア:
腹直筋鞘の外側縁付近の腹横筋が腱膜に移行する線上に発生、半月状線ヘルニアとも称す。比較的まれで、多くは高齢女性に見られ、ヘルニア門は2cm以下と小さく、嵌頓の危険がある。
3)腹壁瘢痕ヘルニア:
手術・外傷による腹壁の瘢痕部より生じるヘルニア。
手術の跡に筋肉や腱膜部が確実に癒合しないことによって起こるものであり腸管が脱出して皮膚を押し上げる状態です。内容(ヘルニアの中身)は小腸や大網が多いですが大腸(結腸)であることもあります。
症状としては手術の瘢痕部における腫脹がほとんどであり、立位や腹圧をかけると著明に出ます。時に腹痛や便秘の原因にもなりますが無症状のことも多いです。しかし時にこの部分の癒着に起因して腸閉塞を示し緊急の外科的手術が必要になることもある。

■治療法は?
ヘルニアが無症状の場合は特に治療を行う必要はありません。しかし、人の疾患におけるわずらわしさは個人差があり、根治的に治すには外科的手術しかありません。腸閉塞を起こしたり痛みを生じたりお腹に力がしっかり入らない為に不具合を感じるようになったら手術をすべきであると思われます。
4)腰ヘルニア:
下腰三角(Petit's triangle)または上腰三角(Grynfeltt's triangle)から脱出、きわめてまれ。
| ■腹部筋肉層の解剖 |
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腹壁ヘルニアの治療はそれぞれヘルニアの種類や程度に応じて施行されます。すべての症例に手術の適応があるわけではありません。
従来は自己組織を用いて修復が施行されることが多かったのですが、近年tension free(自己組織を引っ張らず人工物挿入にて修復する方法)の概念の浸透と時を同じくして様々な素材を用いた人工補強材が開発・販売されるようになり、以前に比べ短時間で低侵襲な手術が普及してきました。
一方、自己組織を用いる手術も様々な方法が存在し、
1. 単純に腹壁欠損部を縫合する方法
2. 周囲の筋肉や腱膜を授動することによってなるべく縫合部に緊張をかからなくするよう工夫された術式
と術式はさまざまです。
修復のコンセプトは両者とも同じであり、ヘルニア嚢の切除・または腹腔側への還納と腹壁欠損部の閉鎖です。

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ヘルニア門直上に皮切を置き、ヘルニア嚢を切離した後、腹壁欠損部を直接縫合する術式です。ヘルニア門を構成する筋膜をoverlappingさせて水平マットレス縫合を行う方法もある。最もシンプルな術式ですが、欠点として欠損部が大きな場合は縫合部に緊張がかかるため再発が起こる可能性が高く、痛みを伴う場合も多い。また場合によっては欠損部を修復することさえ不可能な場合もあります。
しかし長所としては、異物の留置がないため感染には最も強く、手技も簡便なため、大きな欠損部を伴わない腹壁ヘルニアに対しては現在でも比較的多く施行されているのではないかと推測されます

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ヘルニア門直上に皮切を置き、ヘルニア嚢を切離した後、腹壁欠損部を直接縫合する術式です。ヘルニア門を構成する筋膜をoverlappingさせて水平マットレス縫合を行う方法もある。最もシンプルな術式ですが、欠点として欠損部が大きな場合は縫合部に緊張がかかるため再発が起こる可能性が高く、痛みを伴う場合も多い。
また場合によっては欠損部を修復することさえ不可能な場合もあります。しかし長所としては、異物の留置がないため感染には最も強く、手技も簡便なため、大きな欠損部を伴わない腹壁ヘルニアに対しては現在でも比較的多く施行されているのではないかと推測されます。

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脆弱化した組織の補強材としてポリプロピレンを用いたメッシュは優れた特性を有し、広く利用されています。しかし、組織との癒合が強いがために引き起こされる問題―腹腔内臓器への炎症の波及やその結果生じる癒着・穿孔などが問題となっています。一方、ePTFEは表面の性状から線維芽細胞が侵入できず、癒着を引き起こしません。この特性は、腹壁の補強という点では欠点となりますが、腹腔内臓器の保護という点では大変優れた特性です。 近年、この両者を組み合わせたハイブリッドのパッチが販売されるようになり、修復の手技も大きく変貌を遂げました。また、本邦では未発売であるが、生体内で分解・吸収されるいわゆる吸収性素材やそれを用いたパッチの開発が現在盛んに行われています。 欠損部の修復をどの層で行うかによって術式を大きく分類します。

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ヘルニア嚢を開放し、腹腔内に組織補強物を留置する方法。1959年にBurtonが発表した大腿筋膜を利用した大きな腹壁瘢痕ヘルニアに対する術式はBurton's repairと呼ばれ、その後の術式に大きな影響を与えたとされています。まったく同様な術式がポリプロピレンを用いて一時行われていましたが、術後時間が経過してからの腸管穿孔など問題が多く、現在ほとんど行われていないと思われます。
また、ヘルニア門の両端を全層でメッシュを用いて覆い、中央でメッシュ同士を縫合する術式も、腹腔内にポリプロピレンメッシュが露出することから(メッシュと腹腔内臓器の間に大網を敷きこんで直接の接触を避けるべしとされてはいたが)、現在ではあまり施行されなくなりました。
腹腔内留置による修復術は、腹腔内側がePTFE、腹壁側がポリプロピレンで作られたいわゆるハイブリッドメッシュ(Composix patch, Composix Kugel patch)を用いた手技が現在主流となっています。腹壁側はしっかりと癒着を起こし、腹腔側は癒着しないため、理想的なパッチです。これを用いた腹腔内留置による修復法は他の術式に比べ腹膜前腔や皮下の剥離操作範囲が少なく容易であり、腹圧はパッチを腹壁に固定する方向に働きます。ただし、ePTFEは細菌感染に対して非常に弱いという欠点を持っており、汚染が疑われる際には使用できません。また、腹部正中の大きな創をこのパッチで覆うと、再開腹手術が困難となり、筆者は比較的小さな腹壁ヘルニア(特に虫垂炎術後の瘢痕ヘルニアや成人の臍ヘルニアなど)が最も良い適応であると考えられています。

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Stoppaらが広めた修復法として有名。ヘルニア嚢を剥離または切離修復後に、下腹部であれば腹膜前腔を、上腹部の場合は腹直筋後鞘の前面を剥離、この層に広くポリプロピレンメッシュを留置する方法です。腹圧はメッシュを固定する方向に働き、腹腔内には露出しません。腹腔内にポリプロピレンメッシュが露出しないため腸管穿孔や腸管との強固な癒着が回避できることが特徴です。また、ePTFEを用いる必要がないため感染にも比較的強く、剥離操作が広範に及ぶため煩雑で術後漿液腫が多いとされているが、臨床上問題になるほどの重篤な合併症は多くありません。腹部正中の大きな瘢痕ヘルニアや剣状突起や膀胱にかかる部分の瘢痕ヘルニアには特に良い適応であると考えられています。いわゆるライトウェイトメッシュを用いれば異物量を少なく出来るため術後愁訴はさらに低下する可能性があり、症例の蓄積と今後の検証が必要です。

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ヘルニア嚢を還納または剥離切離後に、腹壁のみを最初に閉じ、ポリプロピレンメッシュを腹壁を閉じた糸で固定します。その後、メッシュを前鞘にマットレス縫合します。ヘルニア門から全周にわたり6-7cmの皮下の剥離が必要であり、皮下脂肪の少ない人ではメッシュが皮膚より触れ、でこぼことなった瘢痕を形成することがあります。腹圧は、メッシュをはがす方向に働くので、よほど特殊な状況でない限りは避けたい修復法です。

ここからはちょっと専門的(難しいよ)
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腹壁正中部から腹腔内臓器(肝臓、腸管が主)が羊膜と腹膜に覆われて腹腔外へ脱出したもの。被膜に覆われずに脱出している場合は腹壁破裂と呼びます。約 30%に染色体異常が関与し、50%以上に腸回転異常、Meckel憩室、腸管重複症、腸閉鎖、鎖肛などを合併します。心臓の合併症も多く見られます。一方腹壁破裂の場合は臍帯ヘルニアに比し合併奇形の頻度は少ないですが、腸閉鎖、鎖肛は合併することがあります。

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- 閉鎖孔ヘルニア:
閉鎖管を通じ大腿上部内側へ脱出するが、小さく深部にあるため気づかれない場合が多いです。直腸診・膣指診で膨隆を触知する。高齢・痩せ型女性に多く、ヘルニア門が強固で嵌頓しやすいことが特徴です。大腿屈曲位での閉鎖神経圧迫症状(Howship-Romberg徴候=大腿内側から膝・下腿部に至る疼痛)を呈します。診断はなかなか困難ですが、CTや超音波検査が有用です。 - 坐骨ヘルニア:
梨状筋上孔(梨状筋上ヘルニア)、梨状筋下孔(梨状筋下ヘルニア)、小坐骨孔(棘結節ヘルニア)より脱出するヘルニアの総称(大坐骨孔=梨状筋上孔+梨状筋下孔)です。 - 会陰ヘルニア:
骨盤底から骨盤隔膜を通じ脱出し、広義の会陰部に現れます。中年以降の女性に多く、脂肪腫と鑑別する必要があるが還納性であることが多いです。
A) 前会陰ヘルニア:
浅会陰横筋の前に出現し、前膣ヘルニア(前膣壁に出る)・後膣ヘルニア(膣後壁に出る)・陰唇ヘルニア(大陰唇に出る)があります。
B) 後会陰ヘルニア:
浅会陰横筋の後方に出現し、坐骨直腸窩ヘルニア(肛門挙筋の裂隙または肛門挙筋と鼻骨筋の間から出て坐骨直腸窩に現れる)と、直腸ヘルニア(Douglas窩より直腸前壁へ膨出し直超脱の形態を呈す)があります。

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腸管壁の一部が嵌頓(かんとん)するもので。ヘルニア門が小さく強靭である大腿ヘルニアに多く見られます。ヘルニア腫瘤が小さいため見逃されることが多く。腸閉塞の症例の診断ではソケイ部の観察をしっかり行う必要があることを痛感させられる疾患です。

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Meckel憩室がヘルニア内容になったものです。

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逆行性嵌頓ヘルニア(retrograde strangulation):
W状嵌頓(double
loop hernia)とも呼ばれ、2ループ以上の腸管が嵌頓して中間の腹腔内腸管の腸間膜が強く絞扼され、血行障害が脱出腸管より腹腔内腸管により高度に出現します。
局部症状に比し全身症状・腹膜刺激症状が強く、診断に難渋することが少なくありません。緊急開腹術の適応です。
偽還納:
ヘルニア嚢がヘルニア門付近で線維性に肥厚しているような場合、ヘルニア内容が腹腔内に還納されたように体表からは一見見えても、絞扼が解除されない場合があります。その状態を『偽還納』と称します。
体表から膨隆が消失してもヘルニア内容の絞扼は解除されていないため、腸閉塞症状などの腹部症状が改善せず、虚血・壊死を来たすと腹膜刺激症状が出現します。


